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「営業の原点を知ることは、人生の財産となる。」

はじめに――「営業の原点を知ることは、人生の財産となる。」
 この本を手にとって下さった方々は、営業という仕事に対して、次のような疑問や悩みをお持ちの方だと思う。
・営業部に配属されてどう動けばよいかわからないでいる
・結果が出なくて苦しんでいる
・ノルマがきつくて大変な思いをしている
・なかなか大きな成果が出せない               (理事 津田晃)

 私も野村證券に入社後の研修が終わった時、分厚い高額所得者名簿と商工会名簿を渡され、「ここから、お客様を見つけてこい!」と言われた時は、「とんでもない会社に入ってしまった」とショックを受けた。
 最初の一年位は毎日、辛い気持ちでいっぱいだった。後ほど書くが、営業成績が上がらず、「もう会社をやめよう」と思ったことが、何度もあった。
 そんな日々の営業活動をするうちに、たった一つのことを意識するようになってから、少しずつ結果を出せるように変わっていった。
 そのこととは、お客様に「信頼される」ということである。
 当たり前じゃないかとご指摘を受けそうだが、このことをどこまで掘り下げて、とれだけ真剣に取り組むかが、成果を上げ、お客様と長い付き合いのできる営業マンになれるかのポイントになると断言できる。
「信頼される」ためには、お客様の欲していることを洞察する、質問に的確にアドバイスできるように勉強しておく、約束は必ず守る、迅速に報告する、手抜きをしないで努力している―などが求められる。
 そして「信頼される」の前提になるのが、「好かれる」ことである。
「好かれる」ためにもいくつかある。第一印象がいい。感謝の気持を忘れずに、相手のために労を惜しまない。お客様とお会いして時間をいただいた時、お礼の手紙をすぐに出す。相手に困ったことや知りたい情報があった時、すぐに調べてお伝えする。自分の体調が悪かったり、プライベートで辛いことがあったりした時でも、嫌な顔を見せずに相手と話す―あなたへの好感の良し悪しは、こんな些細なことからも生じる。
 これらの行動は、営業マンとしてだけでなく、人間として当たり前のことだが、できそうでできていない。ただ営業マンでこれができる人とそうでない人では、すぐ結果に違いがでるから、できる営業マンは必死になって行動を変えようとする。このことが人生の大きな財産にもなっていく。
 
 もう一つ、私自身、営業という仕事の本質を知らなかったころは、「売りたくないものを売るのが営業」と勘違いしていた。 多くのビジネスパーソンに、営業という職種が不人気な理由は、この無知によるものだと思う。
 一番の誤解は、営業と販売の混同による。営業はソリューション・ビジネス―つまり、お客様の問題を解決する仕事と言える。一方、デパート等で福袋などを売りさばくのは営業ではなくて販売である。
 真剣に営業という仕事と向き合えば、クリエイティビティとコミュニケーション能力が同時に要求されることに気づくだろう。たから一流の営業マンは、転職しても、売るものが何に変わろうとも、良い成績を上げる。このことは売り場でプロといわれるクラスの店員や店長の場合でも同じで、必ずいい顧客をつかんでソリューション・ビジネスをしている。つまり、この人たちはどんな時代がきても一生食べていける。
 これからますます各企業とも、営業力が求められるのだから……。

 私が仕事の信条としている言葉に、「駑馬十駕(どばじゅうが)」という中国のことわざがある。「駿馬(しゅんめ)は一日で千里を駆けることができる。しかし駑馬(のろい馬)でも、十日もかければ同じことが可能になる」という意味だ。
 たとえ歩みは遅くても、努力すれば、必ずいい結果が得られる。
 この本を読んでくださったあなたが、勇気をもって、つねに前を向いて仕事に取り組んでくれたら、これ程うれしいことはない。
 精神的にも、経済的にも、あなたの豊かな人生に向かって、乾杯!

2012年 6月            
                             津田 晃


津田理事近著「営業マンの君に勇気を与える80の言葉」より㈱かんき出版のご許可を得て転載しました。

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