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企業の「サステナビリティ」

 従前より求められていた企業の「社会的責任」は21世紀に入り更に重要な命題として大きく取り上げられることが多くなってきました。 (理事 津田 晃)

企業は自らを取り巻くステークホルダーへ常に当然成されるべき対応を取ることが求められることとなったのです。即ち、先ずに株主等出資者への権利へ然るべき還元を図り、次に消費者、従業員も含めた地域社会ひいては社会全体への最適の行動を取ることが必須となって来ました。これは正に近江商人の理念である「三方良し」の状態であり、加えて幅広く環境問題へも正面から取り組んで行かなければなりません。
 企業の「社会的責任」が議論される際、同時にサステナビリティ即ち持続性・継続性の重要性がクローズアップされます。私はベンチャー業界に長く身を置いていたので企業の成長に注目して来ました。しかし、成長する為には企業が存続しなければそれは不可能であり、同様に企業の「社会的責任」を果たす為には存続することが前提となります。企業の存続ということについて、私は日本経済新聞の「200年企業―成長と持続の条件―」を精読し参考に致しております。この特集記事は2年前から毎週水曜日の朝刊に連載され既に120回を超え現在も継続中です。日本には長寿企業が抜群に多く世界の40%を占め、100年企業は約5万社、200年企業は約3500社もあります。長寿の秘訣を私が個人的に纏めてみますと以下の四点に絞られます。
① 顧客を常に念頭に置き伝統を守る、しかし必ず時代の変化を織り込んだ上で次代へ継承する。
② 人材育成に注力する、特に後継者育成には不断の努力を図る。
③ 財務の面では保守的であるが、危機的局面に遭遇した時はリスクを取って創造的な適応を厭わない。
④ 成長への努力は惜しまないが決して過度な成長は求めない。成長も存続の上に成立する。
 以上4点を守り抜いて成功している企業は多くあります。しかし成功するだけでは「社会的責任」を果たしているとは言えません。ファイザー社の社是は非常に簡単で2語です“Successful & Respected”〝成功することだけではなく尊敬もされること〝こんなシンプルな理念の中に企業の「社会的責任」のエッセンスが秘められているのではないでしょうか。

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