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自滅する会社

 日立製作所のリストラクチャリング計画が大きな話題となっている。60~80年代の超優良企業・野武士と云われた日立も90年代以降輝きを失せていた。そして、09年3月期7873億円という巨額な赤字に転落し、ようやく、抜本的な事業構造の転換に取り掛かることになった。その成否は戦略の正当性とこれからの行動にかかっているが、それとは別に日立はなぜ輝きを失ったのか、優良企業はなぜダメになるのか、というのも、検討に値するテーマである。
 ジャグディシュ・N・シーラ教授(エモリー大学ゴジエッタ大学院・・・専門はマーケティング)は「自滅する会社」という著作でこのテーマに迫っている。教授によると、マッキンゼーの「エクセレント・カンパニー」で選ばれた62社のうち、シアーズ;ゼロックス;コダックなどは、その後苦境に陥り、DECのように消え去った会社もある、という。そして、企業が消滅する理由には、
  個体群生態学の理論=「適者生存」=競合によって排除される
  必然性の理論=「出生死滅」=企業の寿命・・・アデディス理論
  蓋然性の理論={自滅}=不健康な習慣を積み重ね回復不能な状態に陥る
の三つがあり、このうち最後の習慣病が一番始末が悪いという。以下、7つの習慣病
を見てみよう。
                 (理事 早川 成信)

習慣病 1. 現実否認症…神話、定石、正統という呪縛
発症のきっかけ

●新しいテクノロジーの否認
(症例) ウェスタン・ユニオン…19世紀末、ベルの電話技術を否認。特許への投資要請を拒否
     タイメックス…時計は一生もの;デジタル時計は醜悪であると判断
     ゼロックス…77年パソコンを開発しながら、タイプライターに固執;レーザーで失敗
●消費者嗜好の変化を否認
(症例) A&P(1859年創業のスーパー)…少品種・安価な食品を大量に売るモデルの崩壊
●新たなグローバル環境の否認
(症例) GM…80年代初にトヨタの生産性に気づいていたが;大型車に固執;社内の抵抗勢力
主な症状
●「我々は違う」症候群 …GMの企業文化
●「自前主義」症候群…特に技術部門で蔓延 ⇒「純血主義」症候群につながる
●「正当化」症候群 …シュエ低下、新商品の遅れ、離職率の上昇などの「兆候」を無視⇒正当化
治療法
1. (兆候を)探す…偏見・根拠のない選り好み、改革に抵抗する部署はないか、を観察
         自社の製品と工程と社員の言うことを良く観察;特に管理職の言うことが信用できるか
2. 認める…現状否認の兆候を見つけたら、病気にかかっていると、認める
3. 評価する…どれだけ深く現状否認にはまっているか測定する
4. 変える…変革は難しいが不可能ではない。IBMなどの変革の例を参考にする


習慣病 2. 傲慢症…おごれる者は久しからず人を見下す不快なさま;尊大;おごり;横柄;無礼;侮蔑 …思い上がった自意識
発症のきっかけ
●異例の業績が現実に対する認識をゆがめる ⇒「自分たちは外部の力に影響されない」と考えるようになってしまう。   
(症例) GM…スローン時代の成功⇒エリートvs労働者; GMvsトヨタ 多ブランドvs消費者
     ボーイング…民間機最大手が97年に軍用機のダグラス買収⇒世界最大の航空宇宙企業
            (組合との対立;ベテランの離職;旅客機での巨額な赤字;不倫騒動etc)
●ダビデがゴリアテを倒す⇒「ダビデのパチンコはゴリアテとなった今は違法なものに」
(症例) マイクロソフト 独占禁止法違反の訴訟;グーグル対策;iPodへの無策
     エンロンとワールドコム…ニューエコノミーとの勘違いでオールドエコノミーを食い物に
●誰もまねできない製品やサービスを開拓する
(症例) ソニー …コンテンツ進出 ベーターの失策…「企業文化に刷り込まれた傲慢さ」
●他の人より頭がいい …知的所有権を得て多額の利益と名声を手に入れたケース
(症例) メルク …特許切れ、医療制度改革などへの抵抗 …処方箋薬特化は可能か
    モトローラ …「機敏な巨人」から「傲慢で狭量な通信機会社」に ←部門間の対立
主な症状
●「話を聞かない」症候群 …外の声に耳を傾けない、特に顧客
●「自らを誇示する」症候群 ・・・豪勢な社員旅行;快適なオフィス;専用ジェット機;贅沢な保養所など
●「人を威嚇する」症候群 …アナリストに文句etc
●「横暴」症候群 …ガバナンスなど関係ない、ルールや手順を守らない 
●「同意ばかり求める」症候群 …コンサルタントなどに現状の正当性を確認、批判者は切り捨てる
●自社開発主義(自前主義)症候群…自社のもの以外が良いわけはない

治療法
1. 管理職に定期的に新しい挑戦の機会を与える …失敗の許容…失敗は謙遜を教えてくれる
2. 従来とは違う後継者選びを実行する
3. 様々な教育機関・国籍・人種から採用し、人材プールを多様化する…遺伝子を多様化し強化する
4. 外部の考え方を取り入れる
5. リーダーを変える…社外の人間を招くことを考える

習慣病 3. 慢心症…成功は失敗のもと
過去の成功がいつまでも続くと確信することで抱いてしまう安心や油断
   未来は過去や現在と同じようなもので何も変わることはないと信じてしまう
   変化を黙殺し、惰性で過ごし、現状を維持したがる。迅速な対応が嫌いで、過度に慎重
慢心を形造る三つの柱
「過去の成功」「未来は予測可能だという確信」「規模が大きければ失敗しても大丈夫という思い込み」
発症のきっかけ
●規制下の独占による成功…政府が会社の事業を保護し競合他社を食止めてくれると、いとも簡単に慢心
(症例) AT&T…規制下の安定成長で「闘争の筋肉」が退化。 分割後も「競争意志」は蘇らず
     急低下する航空会社…78年の自由化後の「過激な競争」に対応できた会社はマレ
●流通独占による成功…参入障壁を高くしても時代とともに変化も起こる
(症例) デビアス(ダイヤモンドの85%を独占)…供給を需要に合わせることで価格をコントロール
(ソ連崩壊でロシア産が離脱;96年豪州、カナダも離脱;加工国インドが上流に進出…)
●政府の保護による成功…政府に選ばれることは慢心につながりやすい
(症例) 日本株式会社…多くの日本企業は政府による「産業育成」は未来永劫に続くと考えていた
     フィアット…政府が企業を保護し、企業が見返りを支払う⇒縁故主義と汚職の温床に
●政府による経営…公営企業は慢心の塊
(症例) エアインディア…53年に国有化された以来、肥大化が進み、慢性的な赤字体質に
主な症状
●意思決定を急がない…あらゆる行動やアイディアが二重三重にチェックされる
●意思決定プロセスがひどく官僚的…委員会メンバー一人ひとりが拒否権を持つ弊害
●ボトムアップ・分権・合意の文化…日本式コンセンサス⇒変化の激しい今日「非生産的」
ビジョンを決める…合意で決めるべきものではない。リーダーが向かう方向を決めればよい
ITインフラの設計…さまざまなソリューションがあり、ハード・ソフトともに選択肢がありすぎる
ブランド構築…合意で行おうとすれば収拾不可能に
●高コスト構造になっている…何も責任を負わない金食い虫の「お飾り」、内部相互補助機構など
●完全な垂直統合の企業構造…全てを社内でまかなう仕組み=社内の相互補助機構
●平均コスト、平均価格の概念が横行…結局一番儲かる分野から、利益をかすめとっているだけ
治療法
1. リエンジニアリング…慢心のせいで、業務プロセスの設計が貧弱・非効率になってしまっている
2. 組織改革…今日の環境化、一般的には、管理・効率・経済性の強化の名のもとに中央集権化に向かうべき
3. ノンコア事業を切り捨てる…コア事業に立ち返って、それをグローバルに展開した方が得策
4. ノンコア業務をアウトソースする…慢心企業の特徴である肥大化、惰性、非効率にとってすばらしい解決策
5. 会社に新しい活力を吹き込む…新しいリーダーを選ぶのも・・・

習慣病 4. コア・コンピタンス依存症…諸刃の剣
コアコンピテンスに過度に依存すると、視野が狭くなり、他の機会、他からの参入、顧客離れを見逃す
時代の変化も見逃す…シンガーミシン;DEC;エンサイクロペディア・ブリタニカ←部門の偏見 
発症のきっかけ
●研究開発への依存…低コスト競争者への対抗を「常に新商品で」と考えてしまう     
(症例)米国の医薬品企業;人口甘味剤・・市場が必要としないレベルの商品提供で競争しようと
●デザインへの依存…消費者の選択が品質や先進性でなく「グッドデザイン」と思込む
(症例) 組み立てブロックのレゴ…まがいものの出現;電子玩具の出現;キャラクターの陳腐化
●販売への依存…「誰かが誰かに何かを売るまで何も起こらない」という思い込み
(症例) エイボン…化粧品の「訪問販売」⇒「エイボン・レディ」の威力失せる⇒小売店での競争
●サービスへの依存…セルフによる価格志向の高まりへの対応
主な症状
●会社を変える努力が実っていない…コスト削減、リエンジニアリングしても効果が見えない
●わくわく感が消えた…会社の内部に倦怠感、無力感が・・・「いまさらどうするの」という感覚
●ステークホルダーが逃げ出している…会社への忠誠心が消える。1番目投資家、2番目取引業者
治療法
コア・コンピタンスがあるのは快適…病み付きになってしまいがち 特にトップの座にいると
外には広い世界がある…澄んだ幅広い視野が可能性を広げることが、治療の核心
1. 新しい用途を見つける…ナイロン…ストッキング⇒パラシュート⇒敷物・人工芝⇒心臓弁など
2. 新しい市場を見つける 特に海外…コアコンピタンスの価値をそのまま推し進める
  サービス産業に多くの例が…人材紹介、訪問販売など
3. バリューチェーンの上流、下流へ進出する…コア・コンピタンスの幅を広げる
 IBM=ソフト技術を他のコンピュータメーカに外販(上流) サービス部門も強化(下流)
4. 新しいコア・コンピタンスを開発する…中々上手くいくものではないが…
  コダック=写真用フィルム⇒デジタル写真へ変身中
5. 経営資源投入の選択と集中…コア・コンピテンスを変えるのではなく、注力する分野・地域を特定

習慣病 5. 競合近視眼症…忍び寄る伏兵
「競合」をごく狭い範囲に限定 ないし 直接挑戦してくる目前の敵しか認識しない
発症のきっかけ
●産業の自然な進化…大手2~3社で産業が形成されると、グループ内に競争相手を見つける
         ニッチ企業や新参者など気にもかけない…しかし…
(症例) GM・フォード …日本車には歯牙にもかけなかったが…
     ファイアストーン…米国タイヤ業界で生き残った3社は販売網の強さからミュシェランを無視
●クラスター(産業集積)現象…産業集積地では、どうしても、すぐそばの競争相手を意識しがち
(症例) デトロイト=自動車;アクロン=タイヤ;ピッツバーグ=鉄鋼、シリコンバレー=ハイテク
●業界ナンバー・ワンかつパイオニア…王座を狙おうと後から迫ってくる1,2社にばかり気がとられがち
(症例) バーガー戦争…マクドナルドはバーガーキング対策に終始。
しかしファーストフード業界の全社が敵になってきた
●反対のシナリオー二番手がトップを追いかける場合
(症例) レンタカーのエイビス…トップのハーツの得意な「出張族市場」で追撃、
バジェットが開拓した「レジャー市場」を見逃す
主な症状●小さなニッチ企業の共存を許している…ライバルとは考えず、むしろ共存のほうが得策と考える
 シアーズは高速道路沿いにショッピング・センターを展開、アパレル店舗をリミテッドに任せたが
●供給業者の忠誠心を、新進の競争相手に奪われている…供給業者も競争相手になりうる
      かって、大手スーパーはP&Gに常に値下げを要求⇒ウォルマートの躍進で立場は逆転
●顧客の戦略が「買う」から「作る」へ転換する…顧客の上流進出
      AMEXの真の顧客は銀行(カード決済;TC販売などで)⇒銀行がカード進出
●新規参入企業の脅威を見くびっている
 ソニーのライバルは松下・シャープあるいはフィリプス、トムソン…サムソンを見くびるのも当然
●代替技術に対して無力である
治療法
全体像を見られるようにすることが、治療の核心
1. 市場勢力図を再定義する…周辺部もくまなくチェックして、自分の弱点を見極めることが必要
 IBMはインドの競争相手の手ごわさを認識、すぐさま反撃、大掛かりな進出とライバルからの経営者獲得
2. 自社の製品や市場の範囲を広げる…「攻撃は最大の防御」 
既存市場での新商品、既存商品での新市場進出が多角化の王道
  香港上海銀行(HSBC)…中・英市場⇒欧州⇒米国;銀行⇒証券 買収戦略が柱
3. 統合して余分な供給能力を絞る…航空業界が例…業界の過剰能力を調整し、欠いての交渉力を弱める
4. 新進のライバルに反撃する…特異な競争相手には、相手の縄張りを攻撃することによって逆襲する
5. コア事業にもう一度集中する…限られた経営資源を最も強い分野に集中させ、競争力を回復する

習慣病 6. 拡大脅迫観念症…右肩上がりの幻想
成長の副産物…「成長が過ぎても」コストは増え続ける…費用と収益の不健康なアンバランス
発症のきっかけ
●高利益率のパイオニア企業…価格支配力による高収益⇒競合による価格低下⇒相対的高コスト体質
(症例)IBMのPC…コストの89%が部品代、うちインテル・マイクロソフト分は79%で赤字
●急成長する天才…急速な事業拡大と供給能力の増強⇒顧客基盤を一般消費者へ広げた途端に高コストに
●規模のパラドックス…規模の拡大によって単位当りコストは下がるが「付帯的コスト」も同時に増える
(症例) 半導体産業…ムーアの法則で常に莫大な設備資本が必要、
しかし供給能力過大で価格は常に低下
●予期せぬ義務の足かせ…従業員や地域社会への「約束事」
(症例)工場移転が必要であっても地域社会とのしがらみで/従業員に対する福利厚生費、年金
●政府の取り分…企業ではコントロールできない税金・規制など
主な症状
肥満になれば自分でもわかる。しかし、太る原因である食べすぎの過程は見落とされやすい
●ガイドラインのない場当たり的な支出…「とにかくコストを抑える」という感覚の消滅
●コストセンター中心の組織…効率性・有用性で疑問でも組織体制を見直さないようになってしまう
●内部相互補助の文化…一つの事業療育の成功で別の事業領域の失敗を隠す。
赤字部門に延命助成金
●数字の真実…外部からの目に無頓着
治療法
1. どこにコストがかかっているのか確認する…収支のバランスをとる
2. コストセンターをプロフィットセンターに転換…社内取引…他社のアウトソース受入れも選択肢に
3. 最小事業単位での損益分散管理…コストについて納得いく説明責任を各部門に委譲する
4. 垂直統合から「仮想統合」へ…シスコ型=開発と販売はシスコ、製造・配送・在庫管理などは他社
5. ノンコア業務をアウトソースする…規模の経済が効く外部業者に適切に委託
6. 経営管理者を適切数に・・「最高の組織構造とは経営管理者の階層が最小限で、指揮命令系統が短いもの」
7. 業務プロセスのリエンジニアリング…工場中心から顧客中心に
8. 「マス・カスタマイゼーション」への移行…需要と供給のバランスをとり、生産スピード、生産量を調整
9. 原価企画の導入…「原価+利益=価格」ではなく「市場価格-目標利益=目標原価」に
10. 世界一流の顧客になる…供給業者を搾取するのではなく、生涯のパートナーにする

習慣病 7. テリトリー欲求症…コップの中の縄張り争い
企業は成長し繁栄するにつれ、「機能別縦割り組織」や「地域別縦割り組織」になっていく傾向がある
それぞれが自治を求め、全社的ビジョンを忘れ、相反する目的を追いかけることも。
自分たちのテリトリーを守ろう、広げようとする
発症のきっかけ
●企業の象牙の塔…企業の成長とともに「現場から乖離した」経営層、「分業と専門化」による分散がはじまる
企業の拡大は注意深い監視を要する…達成のための手段ではなく、目的になってしまう恐れ
●決められた方針と手順が優先される…業務マニュアルも大事だが、その趣旨が判らず機械的に適用
(症例)多くの銀行支店…客が駐車料金に文句⇒得意先係りに通知すれば済むはず←自分の仕事だけ
●創業者の文化が、より大きな企業に飲み込まれる
●企業文化が特定の部門に支配される…自分たちのほうが賢い、という信念が助長
主な症状
●不和…各部門が勝手に主張、CEOが全軍を鼓舞するようなビジョンを示せなければ更に混乱
●優柔不断…意思決定は不可能ではないが非常に困難 「方針と手順が優先される官僚組織」では更に困難
●混乱…各部門がちぐはぐな評価に基づいたちぐはぐな行動
●不快感
組織の誰もが満足していない←会社が機能していないため
治療法
機能;地域;製品;顧客;プロジェクトなど組織を形作る要素は多い。どれかが重くなりすぎると弊害が…
1. 効果的なインターナル・マーケティングの展開
 リーダーは部門を越えた関係者全員を、同じ目的のもと、団結させなくてはならない
 (例)スターバックスの行動指針 「お互いに尊敬と威厳を持って接し働きやすい職場を作る」
2. 管理職を象牙の塔から追い出す…ローテーション制で、さまざまな部署を経験させる
3. 恒久的な部門横断チームをつくる…あらゆる部門からの代表者を巻き込んだ恒久的な経営チーム
 (例)トヨタ…生産工程で上のものは供給者、下流のものは顧客、次のプロセスでは供給者になる
 全員が供給者であり顧客⇒問題には全員が総力を挙げて解決 直接担当の範囲を超えて
4. 顧客や製品を中心に組織を再編する…損益の管理単位を変更…縦割り組織の内輪もめを鎮める

予防は治療にまさる
自滅的慣習を断ち切るため…まず自覚する必要がある…主な症状を認識
最初から自滅的慣習に陥らないように「予防」…コストも安く、完治もたやすい、後遺症も少ない
予防策 1 現実否認症
事業の前提や正当性を絶えず疑う制度をつくる…シナリオ・プラニングが有効
 技術・規制・グローバリゼーション・競合・顧客・資本市場 のフレームワークで検討すると良い
ただし、片方の目だけで…さもないと、強迫観念にかられるか、パノライアになってしまう
予防策2 傲慢症
傲慢の落とし穴を絶えず指摘し、警告してくれる相談相手か、エグゼクティブ・コーチを持つこと
個人が露出する広報活動を制限すること…IR、CSRのために会社の顔となることと、個人を売り出すのは別
誰か一人が絶対的な権力を持つことが内容に、抑制と均衡のプロセスを確実に定着させる
予防策3 慢心症
慢心のノレベルを常に定量的に判定する評価指標(できれば数値)を開発する
業績給を導入…自分の仕事が保証され、自動的に昇給すると考えると慢心が生じる
ローテーション制度を導入し、リーダーにさまざまな職務を経験させる…仕事が変われば慢心に陥る暇もない
予防策4 コア・コンピタンス依存症
現行技術から次世代技術へ、常に先行して移行するようにする…性能や改善は終わりがなくなる
コア技術を他の製品や市場に広げる…他のこともできるようにコア・コンピタンスを多様化しておく
コア・コンピタンスを別の市場や市場区分に多角化…特に競合企業を買収することで新しいコア・コンピテンスが
予防策5 競合近視眼症
独立した調査部門を作る…日々の業務を行う管理職はすでに近視眼に←警告を発する
代替技術や競合技術に単独で投資する
パラダイム転換を起こす可能性がある周辺企業やニッチ企業を、定期的に探し買収する
これから競合企業が現れそうな新興市場に参入する…インド・中国など
予防策6 拡大脅迫観念症
販売部門に、顧客別の収益性に基づく報奨制度を確立する
購買を管理機能ではなく戦略機能にする
多品種企業の場合、利益の高い新製品を絶えず精力的に製品ラインアップに加える
習慣病7 テリトリー欲求症
わかりやすい透明な手法で後継者を育成し、管理職にはさまざまな職種を経験させる
部門間に上下関係をつくらない文化を築く
社外の要因に会社の焦点を置くことで、従業員を共通の目標に向けて一体化させる
必然的に支配的な文化が社内にある場合、そsの支配的文化に染まった人間にさまざまな部門を回らせる

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